かなぺりー碇泊記

かなぺりーによる海外生活と旅行のネタ帳

日曜日、ランチタイム出勤。先週木曜日の朝にメルボルンで一番有名なラジオ番組のミニコーナーでうちのお店が紹介されたらしく、普段来ない世代や客層の人たちがお手並み拝見しにワラワラ来てこの日も含め週末はずっとてんやわんやだった。一応事前に軽いヒアリングのような取材は来たらしいけど、いつ紹介されたのか、どんな風に紹介されたのかはスタッフ全員誰もラジオ聞けてないから完全に不意打ち。そのコーナーはメルボルンの小さい個人経営の店を紹介して地元を発掘しよう!お店を盛り上げよう!っていう趣旨らしいけど、放送日や内容に関するアフターフォローがないからうちみたいに「えっ何この稀にみる忙しさ…仕込み全然間に合ってない!ひええー」ってなる店も結構多いだろうなと推測。なんとか営業を終えたキッチンなんてまさに「戦のあと」って感じの散らかり様。しかも皆さん過度な期待を抱えてやってくるので、いつもと同じ仕事をしていてもそれが吉と出るか凶と出るかはお店側では予測できない。忙しいのはいいんだけど、なかなかありがた迷惑な宣伝方法だなと思った。効き目は続いて一週間てとこかな。

行きも帰りも初めて通る道をチャリで駆け抜けて帰宅。公園の脇やスタジアムの間、空中歩道や川の横など、車や公共交通機関では通らない道にちょっと興奮。シティも通らないので人混みもなし。今更かもしれないけど、グーグルマップで経路調べるときに自転車を選択すると、距離と時間のほか目的地までの高低差まで教えてくれるので便利です。行きはそれを無視して自分で経路決めたら上り坂だらけで後悔し、帰りはちゃんとおすすめの道を通ったらめちゃくちゃ楽だった。テクノロジーの進化すご。

月曜日。たまたまルカくん仕事が休みで、天気も素晴らしく良かったのでお弁当作ってロイヤルボタニカルガーデンまでピクニックしに行った。梅干しおにぎりとネギ味噌おにぎり、おやつはデーツとミカンとスナップえんどう。寝袋をシートがわりにして敷き、池だの鴨だの木々だの見ながらゴロゴロ。冬眠から覚めた動物みたいにじーっと日向ぼっこして、体の裏表あますとこなく太陽光あてた。特に何をするでもなく芝生に座っておにぎりをもぐもぐ食べてると、小さい頃のピクニックの記憶がどんどん蘇ってきて、うれしいような懐かしいような、なんとも不思議な気分になった。若かりし頃のお母さんお父さんの顔や体形、自分の小ささや体の軽さ、肌質をありありと思い出し「ああ、あの日々はもう戻らない、あの日に還ることも決してないのだ」などと一瞬妙にもの淋しく、押し寄せるセンチメンタルモードに気分に陰りが漂ったりしたけど、間もなくそれらの記憶はどれも温かく、楽しく、美しかったということに気付き、そうか、悲しくなる必要なんて全くなかった、私は過去も現在もちゃんと幸せだからよし。過去に感謝!と腑に落ちた。

しばらくしてから園内を散策したが、思いのほか広くて歩いているだけで結構楽しかった。楽しむのに夢中で一枚も写真撮ってない。色んな国のガーデンコレクションが見れるのもいいし、大きい池の前でゆっくり景色を楽しむのもいい。ボードウォークみたいなのもあってちょっとしたアドベンチャー気分、場所によってはロマンティック気分も味わえる。ところどころに置いてあるベンチは大体が地域住民からの寄付によるもので「メルボルン太郎(仮)、19××‐20××、この公園を愛していた者より」とか刻印された小さなプレートが付いている。毎回「太郎さんありがとう、いいとこ置いたねえ。座らせてもらうね」と言って座るのもまた乙。

熱帯雨林コーナーのあたりではケアンズのボタニカルガーデンを思い出さずにはいられない。あそこもなかなか良かったなあ。あのときはひとりで、バス停からたくさん歩いて、途中から雨がふりはじめて、かけこむようにカフェに行って、拙い英語で緊張しながらランチ頼んで、それでもなんだかウキウキしていて、染みるような雨と緑の匂いをいっぱい吸ってまた歩き、乗るバス2回くらい間違えながら帰ったんだ。これもいい思い出だなあ。ちなみに記事これね→

shironekodow.hatenablog.com

と、そんな感じでこの日は終始過去の記憶と現在を行ったり来たりしながら、なんだかんだで4時間くらいガーデンにいた。めっちゃ堪能した。また行きたい。