かなぺりー碇泊記

かなぺりーによる海外生活と旅行のネタ帳

暫定1位

昨日『Spider-Man: Into the Spider-Verse』を観てきました。ここオーストラリアでは昨年クリスマスに公開された作品。予告で観たときは「へ~、スパイダーマンがアニメになったのか。子ども向けかしら。軽くて観やすそう」と思っていた。あれだけ何作もシリーズが出ている実写スパイダーマンの映画もあまり興味がなくてほとんど観たことないし、金曜ロードショーとかでなんとなく横目で観てても内容はほとんど覚えてなかったので、超絶に暇だったら観てもいいかな程度で、たまたま昨日が超絶に暇だったのでそれほど期待せずに観に行ったのですが。これがまあなんと。すばらしかった。1時間57分、エンドロールの最後までしっかり観た。一瞬の睡魔も出る幕無し。先々週見た『Holmes and Watson』の5倍くらい良かった。回りまわってHolmes~に「おいお前ら!やる気あんのか!ちょっとしたスパイス感覚でゲロネタ挟むのやめろ!」って言いたくなるレベル。ジャンルが違うので比べたらかわいそうなのは承知の上で…。スパイダーマンにもアニメーションにも造詣がないのであまり詳しいことは語れませんが、これほど「人間味」と「アニメ味」、「自然」と「超自然」がうまく混ざり合うことってあるのでしょうか、と感動した。やりすぎであり、やりすぎでない。普通に実写の演技と映像を観てる感じなのに、実写で出来ることの限界をサラッと軽く超えてくる。今まさにワイヤーで釣られてます!っていう「いかにも」がない。そりゃそうだずっとCGIだからね。でも逆に、今まさにCGIを使って大きい建物を動かしてます!とか、CGIで複雑な顔の表情を作ってますっていうのもない。ときどきCGIであることを忘れる写実力。ん?さっきから同じことを何回も言ってるなあ。それでいてキャラクターの体形や特徴にはアニメならではの誇張表現もきちんと用いていてずるい。上手いな~と感心する。あと印象的だったのは溢れだす色と光の動き。これ主要クリエイター全員黒ですね。幻覚再現うますぎ。黒であることがむしろ白な世界。とにかくお金と技術がめちゃくちゃかかっているのが素人目にもわかる作品でした。ほんとこういうの一体どうやって作ってんの?すごいねー。製作過程を見てみたい。終わった後に「ねーなんでマイルスはがんばっても手から糸が出ないの?」ってルカに聞いたら「え、そこから!?あれ装置だから」と言われた。え、あれ装置なの!?程度の理解力でも十分楽しめます、ご安心ください。軽くて観やすいことには変わりないけど、子ども向けというわけでは決してなく、観るたびに発見のある作品になりそうだと思いました。また観たい。できるだけ大きい画面で観たい。日本公開は今年の3月19日だそうです。

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